伝 清水九兵衛シミズクヘイ 

号は柳景。清水家は代々京都にあって前田家の呉服御用を務めた家柄であったが、3代頃に破産し、江戸に下った。4代柳景は江戸で蒔絵の技法を修得して清水派の祖となり、その技術は若少の頃から定評があった。加賀藩3代藩主前田利常に招かれ金沢にきて、先にきていた五十嵐道甫とともに加賀蒔絵の基礎を築いた。作風は単に技巧にとどまらず、室町時代からの格調高い趣がある。