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終了 展覧会

前田育徳会尊經閣文庫分館 前田家 武の装いⅠ 2017年4月20日(木) ― 2017年5月28日(日)

概要

 武将にとって戦時に着用する甲冑や陣羽織は、自身の武勇や教養、美意識をあらわす重要な媒体でした。そこで戦国時代以来、武将たちは甲冑・陣羽織のデザインや材質に強いこだわりを持ち、時には奇抜な形状や斬新な意匠のものが制作されました。
 加賀藩主・前田家も、文武二道に卓越した家柄として意匠や素材を入念に吟味しました。たとえば、二代藩主・前田利長のトレードマークとも言える《鯰尾形兜》ですが、鉢の上部は和紙に漆を塗り、銀箔を押しています。利長の身長が二メートル近くあったと伝えられていることを考えると、敢えて「変わり兜」を着用しなくてもこれで十分周囲を威圧する効果があったのではないでしょうか。
 そして日本史上屈指の文化人大名と言える五代藩主・前田綱紀の《笠形模楯無甲冑》も注目すべき作例です。射撃の名手だった綱紀は、当然銃器による狙撃も想定していたようで、外見から想像する以上に堅牢な構造となっています。そして、綱紀はこの甲冑を着用して、戦場で自在に采配を振る体力があったことも興味深い事実です。まさに文武二道の体現者として、和漢洋の書物を自在に読みこなし、武芸にも達していたことがここで改めて確認されます。その他、綱紀の所用した陣羽織も《百工比照》の監修者に相応しい形状・意匠となっています。
 加賀藩の文化政策は、時に幕府の警戒を和らげる目的があったと解釈されますが、特に綱紀の事績や武具を検証すると、そのような見方は一面的であることを改めて痛感します。
 そして今回は、足利将軍家から豊臣家、徳川家康の家臣本多家と伝わり、三代藩主・前田利常が1649年に本阿弥光甫に命じて調えさせた重文《小さ刀拵》もあわせて展示します。 

学芸員の眼

 本文でもふれましたが、一昨年の特別展「加賀前田家 百万石の名宝」を契機に加賀藩主・前田家が推進した文化政策の戦略的な側面に注目しています。収集や制作の水準や芸術的完成度、そして政策全般に発揮される独創性で幕府を圧倒することが「文化決戦」の眼目と言えますが、加賀藩はさらに直接的な武力による決戦も視野に入れていたことが、今回の展示作品から垣間見えます。「アート」は本来技術という意味であったことを考えると、前田家ゆかりの文化財を単に美の視点から論ずることはできないのではないでしょうか。特に外様大名であった前田家の場合は、重層する意味を総合的に読み解いて行く新たな観点が必要であることを痛感します。

開催日時

2017年4月20日(木) ― 2017年5月28日(日)
9:30 ― 18:00(入場は17:30まで)
会期中無休

会場

前田育徳会尊經閣文庫分館

観覧料
観覧料 一般 大学生 高校生以下 65歳以上
個人 360円 290円 無料 290円
団体 290円 230円 無料 290円

 

※団体は20名以上。65歳以上の方、県立美術館友の会会員は団体料金でご覧になれます。
また、身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳を持参の方、付き添いの方は無料です。

作品紹介

作品一覧

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