第237号 平成15年7月1日発行
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●常設展示室(前田育徳会展示室)

特 集  茶道具と名物裂

               7月17日(木)〜8月17日(日)

 前田家は、初代の利家以来、歴代藩主が茶の湯を通じて文化事業に深い関心を寄せていました。中でも三代藩主利常は傑出した文化大名として知られており、後水尾天皇や小堀遠州など、当時の優れた文化人たちとの交流も深く、また彼らの影響を大きく受けて、国内外から数多くの文物を収集しました。この利常のコレクションを根幹として、その後の藩主たちもまた茶道具を収集し、現在は国内外、時代を問わず、陶芸・漆芸・金工などの様々な優品が伝わっており、昨年の「利家とまつ」の展覧会で出品された、「茄子茶入 銘冨士」や「井戸茶碗 銘福島」といった大名物と称された道具もあります。今回は、前田家の家紋である梅を散らした「玳皮盞天目茶碗」と、その台である、名物「尼ヶ崎台」を展示します。

 名物裂とは、主として中国の元・明・清時代に製作されて、日本へは鎌倉・室町から江戸時代にかけて輸入された裂地を指します。当時の茶人たちが、掛物の表装や茶道具の仕覆に使用して珍重したことから、このように総称されていますが、当初はこういった貴重な裂地は、禅僧の袈裟や唐絵の表装、唐物の仕覆などといった限られたものに使用されており、個々の名称は、このような所持した寺院や人物の名にちなんだものです。茶道の発展に伴って数多く輸入されるようになり、日本の染織技術は飛躍的に向上しました。特に前田家の所蔵した名物裂は伝世が古く、また種類も多いため、日本の染織史において重要なコレクションとされています。

 今回の展観では、前田家の膨大な茶道具コレクションのうち、中国、宋代の裂地から、日本の近代、人間国宝による銅鑼まで計42点、様々な時代、あらゆる種類の作品が一堂に会します。それぞれの道具から、前田家の茶の湯への関心の深さを感じ取っていただければ幸いです。

育徳会展示室展示作品へ



●常設展示室(第2展示室)

特 集  茶道美術名品展

                7月17日(木)〜8月17日(日)

 恒例の茶道美術名品展ですが、盛夏の季節に展示する機会はなかったように思われます。茶道は自然との一体感のなかに日々の生活が営まれた日本独自の文化といわれます。利休は夏の茶の湯の心得について、「夏はいかにも涼しきように」と、目や耳で涼やかさを感得するもてなしの心を説いていますが、取り合わせの作品の中に季節感を感じていただくとともに、そこに利休が究めた精神世界を求めることができればと思います。10月には開館20周年記念「畠山記念館名品展−茶道美術を中心に−」を開催しますが、それに先立ち、所蔵品を中心とした茶道美術約50点を展示し、茶の湯の世界に親しんでいただこうと思います。

玉舟宗ばん墨跡 江戸17世紀
「夏雲、奇峯多し」は、陶淵明の『四時詩』の夏の部です。雲の変化に己の心を律する厳しい眼が感じられます。利休は茶室の掛物について、「掛物ほど第一の道具はなし、客亭主ともに茶の湯三昧の一心得道の物也、墨跡を第一とす、その文句の心をうやまひ、筆者道人祖師の徳を賞翫する也」と述べています。また「小座敷の茶の湯は、第一仏法をもって修行得道する事也」(『南方録』)と述べているように、墨跡は侘茶の真髄を示すものです。

○□祇園会図 伝長谷川久蔵 桃山16世紀
祇園祭は京の町に夏を告げる祭りです。千年以上の歴史をもつ八坂神社の祭礼で、古くは祇園御霊会といわれ、平安時代には毎年夏に流行した疫病や飢饉の沈静を祈願した厄払いのお祭りでした。7月17日には豪奢を尽くした山鉾巡行が行われます。この作品は母衣武者行列の場面で、もとは1巻の絵巻に描かれたものが、12幅の掛物に分割され、「信長公拝領利休居士遺具咄斎(印)」の千宗旦の添書があります。祇園囃子とともに祭りに興ずる人々の熱気が伝わってくるようです。

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祇園会図

祇園会図 伝長谷川久蔵

 

◆常設展 観覧料

  一般 大学生 高校生以下
個人
350円
280円
無料
団体
280円
220円
無料
団体(20 名以上)

 

 

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