タイトル:かねは雄弁に語りき-石川県立美術館の金属コレクション-

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概要

かねは雄弁に語りき-石川県立美術館の金属コレクション-の作品解説電子ブックです。

13さん三さ砂だい代はり張うお魚みず水ずみ住さし指い為らく楽Water container, sahari alloy1982(昭和57)年鋳金第7回石川県工芸作家選抜美術展銅鑼を家業とする三代為楽は、砂張による茶道具も多く制作している。本作はそのうちのひとつで、ひらみずさしつちめはしご簡素な形状をした平水指の全体に槌目による梯子状の加飾が施されている。銅鑼造りで培われた鋳造技術による三代為楽の茶道具は、薄さや軽さ、形の美しさを含めて、道具として高い機能を持つ。自身も茶をたしなむ三代為楽ならではの上品な作である。三代魚住為楽は金沢市生まれ。本名安彦。祖父であり、重要無形文化財「銅鑼」保持者に認定された初代為楽に師事。1959(昭和34)年第6回日本伝統工芸展初入選、1962(昭和37)年文化財保護委員会委員長賞受賞。2002(平成14)年、重要無きょうどう形文化財「銅鑼」保持者に認定。響銅とも呼ばれる砂張による作品を制作する。(RN)14さん三さ砂だい代はり張うお魚りょう稜ずみ住せん線い為みがき磨らく楽じ地みずさし水指Water container, linear design, sahari alloy1985(昭和60)年鋳金第32回日本伝統工芸展高さや大きさがほどよく、安定感のある平水指。側面に施された19本の稜線がアクセントとなり、シンプルな形状でありながら見るものを飽きさせない。また、表面を磨き、漆を焼き付けた独特の色合いや控えめな加飾のため、砂張のもつ色彩を味わうことができる。(RN)10