タイトル:かねは雄弁に語りき-石川県立美術館の金属コレクション-

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概要

かねは雄弁に語りき-石川県立美術館の金属コレクション-の作品解説電子ブックです。

19きよみつ清光かたな刀銘加州金澤住藤原清光作Sword, signatured of "Fujiwara Kiyomitsu"江戸17世紀旧赤羽刀として国から譲渡された一振り。赤羽刀とは、戦後GHQ(連合国最高司令官総司令部)により接収された日本刀をほきゅうしょうさす。東京都北区赤羽の米第八軍兵器補給廠に保管されていたため、この名で呼ばれる。本作は、反りが浅く先端にかけて身幅が狭まる姿をしており、すぐはまっすぐとした直刃にわずかにのたれがかった(一部にゆったりとした波形のある)刃文が大変美しい。刀の姿や銘の特徴より江戸17世紀長兵衛(六代清光)の作か。加州刀の刀工には大きく在来派と移住派があり、清光は在来派とされる。越前に興ったとされる藤嶋派の流れをくみ、その後幕末に至るまで同銘「清光」が続いた。(AS)20さん三わき脇だい代ざし指つじ辻むら村かね兼わか若銘賀州住兼若延宝七年八月吉日Short sword, signatured of "Kanewaka"1679(延宝7)年わきざし脇指とは、刃渡り1尺以上2尺未満(約30~60cm)の刀を指す。江戸時代には武士以外の者も脇指の帯刀が許され、数多く制作された。本作は大きく波のようにのたれ、やや箱乱れ風(一部にのたれよりもやや角ばった刃文)となる。巧妙で細かな刃文で知られる三代兼若において珍しい作例の一つ。黒漆たたき塗りの鞘こしらえもつ拵が附属し、刀装具は海を連想させる意匠で統一される。さやを在来派の清光に対し、移住派の第一とされるのが兼若である。美濃より加賀に移り住み、時代の好みに合わせた幅広い作風を展開した。三代兼若は四郎右衛門といい、二代兼若の長男である。(AS)14