タイトル:かねは雄弁に語りき-石川県立美術館の金属コレクション-

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概要

かねは雄弁に語りき-石川県立美術館の金属コレクション-の作品解説電子ブックです。

46い伊どう銅とう藤すかし透しょう勝ぼり彫てん典から唐じ獅し子ぼたん牡ず丹図てばこ手筥Openwork box, design of lion and peonies, bronze1925(大正14)年頃彫金青銅地に獅子牡丹文を表し、透彫によって内側に張っくさびた布地を見せる。全面に施された彫りは、楔形になたがねるように鏨の当て方を工夫し、連続して打ち込んでいくことで三角形が連なる線刻とする蹴彫によるものである。百獣の王・獅子と百花の王・牡丹の取り合わせは、吉祥文様として古くから好まれた。伊藤勝典は金沢市生まれ。家業の彫金を修得し、象嵌を得意とした。1926(大正15)年、第13回商工省展で褒状を受ける。1928(昭和3)年12月完成の御大典奉祝石川県献上御手筥には金具制作で携わった。1929(昭和4)年第10回帝展に入選。後年、大阪造幣局に勤務した。(YT)30