タイトル:かねは雄弁に語りき-石川県立美術館の金属コレクション-

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かねは雄弁に語りき-石川県立美術館の金属コレクション- の33ページ目の概要です。

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概要

かねは雄弁に語りき-石川県立美術館の金属コレクション-の作品解説電子ブックです。

53さい齋おぼろ朧とう藤ぎん銀あきら明しゃ斜こう交さい細もん文つぼ壺Jar, with the motif of lozenges, oborogin alloy昭和20世紀鋳金ゆったりしたフォルムをもつ壺の胴中央に、中心で交差する線刻が4か所施される。作者はしばしうりひょうたんば瓜や瓢箪などの植物からヒントを得たが、本作もその一部である。器体は銅と銀の合金である朧銀で、表面にはその特徴である油滴状の結晶があらわれる。齋藤は、本作のように星がまたたくような結晶があらわれる作品の完成を目指していた。齋藤明は東京生まれ。佐渡出身の父が運営した鋳物工房を1938(昭和13)年に受け継ぎ、高村豊周らに指導も受けつつ鋳造技術を磨いた。佐渡ふきわけでさかんであった?型での型づくりをもとに、吹分をはじめとした様々な鋳造技術を駆使して制作を行った。1993(平成5)年、重要無形文化財「鋳金」保持者認定。(YT)50か香おぼろ朧とり取ぎん銀まさ正ほう鳳ひこ彦おう凰みみ耳つぼ壺Jar, with phoenix-shaped handles, oborogin alloy昭和20世紀鋳金下蕪形の胴の両側に鳳凰をあしらう。このような形態の容器は古代中国青銅器にみられ、その後青磁などにも応用され、日本においても広く愛好された。器体は銅に銀を加えた合金である朧銀で、落ち着いた風合いである。本作では、古典をふまえつつ、端正なフォルムの鳳凰耳にみられるように近代的な感覚を同居させる香取の作風が見てとれる。ほつ香取正彦は東京生まれ。金工家の父・香取秀真まは東洋工芸史に造詣が深く、正彦もその影響を受けて古典研究を基礎とした。1949(昭和24)年より、平和祈願のため父とともに梵鐘制作を始め、最終的に150口余を制作する。1977(昭和52)年、重要無形文化財「梵鐘」保持者認定。(YT)33