タイトル:かねは雄弁に語りき-石川県立美術館の金属コレクション-

ページ
34/60

かねは雄弁に語りき-石川県立美術館の金属コレクション- の34ページ目の概要です。

各ボタンで、目的のページを開いてください。

概要

かねは雄弁に語りき-石川県立美術館の金属コレクション-の作品解説電子ブックです。

48きた北ぎん銀はら原かざり飾せん千つぼ壺ろく鹿Ornamental jar, silver昭和20世紀鍛金51かな金ちゅう鋳もり森どう銅えい映ぞう象い井がん嵌ち智ろっ六ぽう方か花Hexagonal vase, inlay, cast bronzeき器1976(昭和51)年彫金第23回日本伝統工芸展日本工芸会総裁賞金森は、花を生けるための道具である花器に具象的な花や植物の意匠は不要であるとして、伝統的な花鳥文様ではなく幾何学文様を一貫して採用した。本作では、六角形の簡潔なフォルムをもつ器体に、金銀による線象嵌を整然と配置し、リズムと広がりを演出する。線象嵌を活かした意匠、形と文様の調和という、金森作品の特徴が存分に発揮されている。緻密な計算と熟練のわざが行き届いた本作は、日本伝統工芸展で最高賞を受けた。金森映井智は富山県高岡市生まれ。本名栄一。1989(平成元)年に重要無形文化財「彫金」保持者認定。線象嵌や布目象嵌による幾何学文様を基調とし、簡潔な器形とともに現代感覚にあふれる作風を示した。(YT)34