タイトル:かねは雄弁に語りき-石川県立美術館の金属コレクション-

ページ
8/60

かねは雄弁に語りき-石川県立美術館の金属コレクション- の8ページ目の概要です。

各ボタンで、目的のページを開いてください。

概要

かねは雄弁に語りき-石川県立美術館の金属コレクション-の作品解説電子ブックです。

9じゅう十あられ霰さん三しん真だい代みや宮なりがま形釜ざき﨑かん寒ち雉Tea kettle of shinnari type, design of hail pattern1968(昭和43)年しんなり真形とは茶の湯釜の基本的な形で、本作もその例ならに倣い、口造りは立ち上がりから一度くびれてかくりくちら上方向に広がる繰口である。羽根があり、丸底きめんの釜で鐶付は鬼面となっている。胴回りには鋳込みによって生まれた無数の粒状の突起があり、このような釜を霰釜と呼ぶ。窓枠内には松(背面枠内には桜)が鋳出される。十三代宮﨑寒雉は加賀市生まれ。旧姓中村、本名しゅうとう卯一。生家は九谷焼業、父は初代中村秋塘。石川県立工業学校窯業科在学中に十二代寒雉の養子となり、釜制作の修業を始める。1942(昭和17)年、第5回新文展に初入選後日展へ出品を続けるが、途中から展覧会への出品を控え自身の制作に専念する。寒雉釜の伝統を継承し、手堅い作品を制作した。(RN)10かな金おか岡さはり砂張そう宗ろく六こう幸ひょう瓢ふた蓋おき置Lid rest with six-gourd design, sahari alloy1968(昭和43)年鋳金8