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美術館のあゆみ

旧美術館(石川県美術館)について

昭和34年10月に開館した旧館(石川県美術館)は、地方の県立美術館としては最も早い時期に建設されたものの一つです。金沢出身で日本芸術院会員であった建築家の故谷口吉郎氏の設計によるもので、特別名勝兼六園に隣接し、周囲の風光と調和するように配慮がなされ、日本建築の障子の感覚を思わせる清楚な趣のある建築で、本館・別館合わせて展示室5室、延べ床面積2,190平方メートルでした。

内部改装工事を行いながら、内外の各種の展覧会を開催してきましたが、次第に大型化、多様化する展覧会に対応が困難になってきたため、昭和58年11月、282番目の展覧会(第30回日本伝統工芸展)をもって閉館し、24年の歴史を閉じました。
現在その施設は、いしかわ生活工芸ミュージアム(石川県立伝統産業工芸館)となっています。

国宝1点、重要文化財4点を含む美術工芸品を中心とする旧館の所蔵品は、すべて現在の美術館に引き継がれ、新たに収集された近現代絵画・彫刻の作品とともに現在の美術館の所蔵品となり、コレクション展示室で展示されています。

旧美術館外観
内部の様子

新美術館(石川県立美術館)建設のあゆみ

経済成長のなかで明治100年を迎えた昭和40年代中頃から、各地に博物館が建築され、さらに昭和50年代に入って美術館が次々とオープンすると、次第に、大型化・多様化した展覧会にも対応できる新しい美術館の建設を求める声が大きくなってきました。

こうした事情を受けて石川県では、美術館の建設に踏み切ることとしました。 建設候補地としては、郊外の西部緑地(北陸自動車道金沢西インター付近)を挙げる声もありましたが、利用効率、他の文化施設との関連性、またヨーロッパ各地の美術館博物館のほとんどが住民の足の流れのなかに建てられ、「心の公園」となっていることなどを考慮し、兼六園、旧美術館(石川県美術館)に隣接した現在地に建設することとなりました。

昭和53年 9月 新美術館建設準備金を計上
昭和53年10月 教育委員会内に「新美術館建設に関する懇話会」を設置
昭和53年12月 石川県文化懇話会から文化行政振興についての提言の中に「近代美術館建設」を要望
昭和54年 6月 新美術館設置懇談会設置
昭和54年12月 新美術館設置懇談会から知事に対し「新美術館の早期建設について」要望
昭和55年 2月 新美術館開設準備委員会設置
昭和55年 3月 兼六園周辺(文化ゾーン)整備懇話会が「新美術館の建設用地は金沢女子短大跡地が適当」と結論
昭和55年 4月 新美術館開設準備室設置
昭和55年 5月 新美術館開設準備委員会が知事に対し「新美術館の基本構想について」答申
昭和55年 5月 新美術館専門懇話会設置
昭和55年 6月 新美術館の基本構想を策定
昭和55年12月 新美術館基本設計が完了
昭和55年12月 財団法人前田育徳会と展示契約締結
昭和56年 7月 新美術館実施設計が完了
昭和56年10月 新美術館着工
昭和58年 4月 美術館新組織が発足
昭和58年 7月 旧館より事務局の一部が新館へ移転
昭和58年10月 新美術館建設工事完了

石川県立美術館開館

開館式は昭和58年11月12日午後3時より、県内外から約500名の招待者が出席して盛大に行われました。

以後3月まで、地元の新聞社等と共催した開館記念シリーズ特別展を連続して開催し、開館以来5ヶ月間で約9万人の入館者を迎えました。

昭和58年11月 開館記念展「日本美の心 花鳥風月展-古典と現代-」を開催
昭和63年 3月 開館5周年記念展「-加賀文化の華-前田綱紀展」を開催
平成 5年 4月 開館10周年記念展「-五島美術館所蔵-茶道美術名品展」を開催
平成 5年10月 開館10周年記念展「日本美の心 絵画にみる装飾性と抒情性」を開催
平成 6年 1月 開館10周年記念展「石川の美術-明治・大正・昭和の歩み-」を開催
平成 9年 4月 石川県文化財保存修復工房を、美術館付属施設として設置
平成10年 4月 文化財指定制度100周年・開館15周年記念 「特別公開 国宝百済観音」
同時開催(全館)「石川県立美術館名品展」を開催
平成10年 9月 開館15周年記念展「墨の表情-近代日本画にみる名作-」を開催
平成11年 1月 開館15周年記念展「工芸作品と図案-創造への思考-」を開催
平成12年 8月 昭和58年の新館開館以来、入場者が500万人に達する
平成14年 9月 NHK大河ドラマ「利家とまつ」の放送に合わせ、「利家とまつ 加賀百万石物語展」を開催
平成15年 4月 開館20周年記念展「北野恒富展 金沢が生んだ美人画の巨匠」を開催
平成15年10月 開館20周年記念展「畠山記念館名品展 茶道美術を中心に」を開催
平成16年 1月 開館20周年記念展「北陸の人間国宝展」を開催
平成16年 1月 昭和58年の新館開館以来、入場者が600万人に達する
平成19年 9月 空調設備の改修、収蔵庫増設、バリアフリー化等のため1年間の大規模改修に入る
平成20年 9月 9月20日リニューアルオープン。
記念展「法隆寺の名宝と聖徳太子の文化財展」を開催、県内外から300名の招待者が出席し、9時30分より雅楽越天楽の奏楽により厳かに行われた
平成25年 開館30周年記念展として、4月「国宝 薬師寺展」、9月「俵屋宗達と琳派」、12月「あなたが選んだ 石川県立美術館 名作の森」を開催
平成26年 6月 ボランティアの導入
平成27年 北陸新幹線開業記念展として、4月「加賀前田家百万石の名宝」、9月「没後30年 鴨居玲展 踊り候え」を開催