展覧会
前田育徳会尊經閣文庫分館
溶姫と婚礼調度
溶姫(ようひめ)は第11代将軍・徳川家斉の二十一女で、加賀藩13代藩主・前田斉泰の正妻として知られています。本展では、溶姫が持参した婚礼調度を中心にご紹介いたします。
徳川家関係から前田家の歴代藩主への輿入りは多く、3代利常が2代将軍秀忠の二女珠姫(天徳院)を迎えたことをはじめとし、4代光高が3代将軍家光の養女阿智子(清泰院)、5代綱紀が保科正之の二女摩須子(松嶺院)、6代吉徳が5代将軍綱吉の養女松子(光現院)を迎えました。
溶姫は文政6年(1823)4月に11才で2才年上の斉泰と婚約し、文政10年(1827)11月27日には、溶姫が江戸城から本郷の加賀藩邸へ移る「引き移り婚礼」が執り行われました。この時、溶姫を迎えるべく建てられた御殿の正門が、東京大学本郷キャンパスに残る「赤門」(重要文化財)です。
今回展示する婚礼調度は、「引き移り婚礼」の際に溶姫が持参したものです。前田育徳会では「葵紋蒔絵調度品Ⅰ・Ⅱ」として保管しています。よく見るとⅠとⅡでは葵紋の形や蔓の巻き方などに違いが見られ、作成時期や作成者が異なっていたと考えられます。本展では、Ⅰに属する厨子棚や黒棚のほか、Ⅱに属する渡し金箱、耳盥(みみだらい)なども展示します。溶姫の生活の様子に思いをはせるとともに、ぜひ装飾の違いにも注目していただけますと幸いです。
基本情報
会期 |
2023年12月1日(金)~ 2023年12月24日(日) |
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開館時間 | 9:30~18:00(展示室への入室は17:30まで) |
休館日 | 会期中無休 |
観覧料 |
一般:370円(290円)、大学生・65歳以上:290円(290円)、高校生以下:無料
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会場 | 前田育徳会尊經閣文庫分館 |