展覧会
近代逍遥
明治時代に始まる「近代」においては、人々の生活に大きな変化がもたらされ、わたしたちがいま〈美術〉と呼ぶものをめぐる状況にも影響を与えました。西洋発の新しい考え方に呼応し、これまで日本に存在したモノ・コト・ヒトがそのあり方を大きく変え、試行錯誤のなかでその意味内容を形成し始めた時代であるといえます。本展では、そんな時代における〈美術〉や新しい生活をあらわす作品を紹介いたします。
近代における〈美術〉の様相を反映した作品から、野外彫刻の原案や印刷物の図案を紹介します。野外彫刻は、西欧から「モニュメント」という考え方がもたらされて以降、いわゆる銅像として日本でもさかんにつくられました。最初期の銅像ともいわれる兼六園の日本武尊(やまとたけるのみこと)銅像の原案として制作されたのが今回展示する《日本武尊像》です。最終的にはこの案は採用されなかったようですが、銅像という近代ならではのメディアに大きく関わる作品であることは間違いありません。
図案からは浅井忠《桜》を紹介します。浅井の死後に出版された『黙語図案集』は、浅井による図案約150点を厳選した書籍ですが、当館所蔵の《桜》は同図案集に掲載されたものであることが今回確認されました。図案集とともに展示予定ですので、ぜひご覧ください。
ほかにも、近代の生活(モダン・ライフ)をあらわした絵画作品や、作家がみた石川のむかしの風景などをあわせて紹介する予定です。お楽しみに。

基本情報
会期 |
2023年9月16日(土)~ 2023年10月22日(日) |
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開館時間 | 9:30~18:00(展示室への入室は17:30まで) |
休館日 | 会期中無休 |
観覧料 |
一般:370円(290円)、大学生・65歳以上:290円(290円)、高校生以下:無料
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会場 | 第3展示室 |