展覧会
コレクション展:絵画・彫刻
優品選
※休館日:7月29日(月)、30日(火)
油彩画分野では、宮本三郎《阿修羅》をご紹介します。宮本は戦後に具象画家としての自己の資質と抽象画との接点を求めて、大和の古仏のスケッチに励みました。本作では、抽象画の研究成果である絵具の物質性を強調する複雑なマチエールによって、重厚な絵肌の中に、興福寺の阿修羅像の端正な姿を描き出しています。彫刻分野からは、村井良樹《麗日》をご紹介します。裸にシャツを羽織った女性像。丹念なモデルの観察に基づいた造形は、女性の実在感、瑞々しさを感じさせるとともに、清新な雰囲気をまとっています。具象彫刻に取り組み、生命感を重視し制作を続けてきた作者の、初期の優品といえる作品です。
日本画分野で久しぶりの展示となる安田靫彦《飛鳥をとめ》は、紫香楽宮跡から発見された和銅製の首にヒントを得て制作されました。同時開催の特別展「まるごと奈良博」に漂う飛鳥・天平の香りに合わせて出陳します。また、版画分野では東山魁夷の《海山十題》もご紹介します。東山は、唐招提寺御影堂障壁画の床の間を飾る制作準備のため、日本の海の原型を求めて8か月におよぶ日本各地の海と山の写生を重ねたといいます。東山がとらえた日本の理想的な海と山の姿を、この作品を通して味わうことができるでしょう。
基本情報
会期 |
2024年7月6日(土)~ 2024年8月25日(日) |
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開館時間 | 9:30~18:00(展示室への入室は17:30まで) |
休館日 | 7月29日(月)、30日(火) |
観覧料 |
一般:370円(290円)、大学生・65歳以上:290円(290円)、高校生以下:無料
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会場 | 第4展示室、第6展示室 |