展覧会
没後20年 脇田和
昭和から平成の時代にかけて活躍した画家・脇田和(1908~2005)は、日本の洋画壇を代表する芸術家の一人です。脇田は東京に生まれ、父や祖母の影響を受け幼少期から芸術・伝統文化に親しんでいました。画家を志して青年期にドイツへ留学し、ベルリン国立美術学校(現・ベルリン美術大学)を卒業します。新進の若手画家たち、猪熊弦一郎、小磯良平らと、芸術の純粋性を掲げた「新制作派協会(現・新制作協会)」を後に結成し、生涯ともに制作活動を続けました。東京藝術大学では教員として後進育成にもあたります。たび重なる戦禍、病苦を乗り越え、個展、展覧会など国内外の様々な場で多数の作品を発表し、平成10年(1998)には文化功労者に選出されました。78歳をむかえて「これからも尚、歩み続けなければならない。終極のない道を出来る限り遠くまでと思う。」と語ったように、晩年においても芸術への意欲が衰えることはありませんでした。
脇田の作品は「描こうと思うものは、長い間見つめていられるものでなければ」と、家族、鳥など身近なものをモチーフとし、豊かな色彩、マチエールと構成に彩られています。留学時代に鍛え上げられた堅実な素描と、創作への苦闘から、ほのぼのとした画面にもユーモアと緊張感が漂い、油彩画、版画、水彩画と多岐の技法にわたる作品を生み出しました。本特集では没後20年にあたり、およそ80年にわたる画業を当館収蔵品約40点によって振り返ります。

基本情報
会期 |
2025年7月5日(土)~ 2025年8月17日(日) |
---|---|
開館時間 | 9:30~18:00(展示室への入室は17:30まで) |
休館日 | 会期中無休 |
観覧料 |
一般:370円(290円)、大学生・65歳以上:290円(290円)、高校生以下:無料
|
会場 | 第3展示室 |