展覧会
雪舟と周文
日本において雪舟ほど名高い画家はいないでしょう。室町時代のみならず、後世への影響を考えれば、日本を代表する画家と言って差し支えありません。
雪舟は応永20年(1420)、現在の岡山県に生まれ、「涙でねずみの絵を描いた」と伝説が残る、地元の宝福寺を経て上洛。その後、東福寺から相国寺に移り周文に学びます。30代で山口に下向。40代後半での中国留学を経て、各地を遍歴し永正3年(1506)頃に87歳で没したといわれます。
雪舟の真筆とみられる作品は現在十数点。そのうち国宝に6点、他の多くは重要文化財の指定をうけています。山水画が特に有名な雪舟ですが、人物画や花鳥画にも優れた作品を残しています。今回展示の重要文化財《四季花鳥図屏風》は、右隻に春夏の景として松や椿、蓮華などと丹頂鶴、鷺、燕が描かれ、左隻には芦原に野菊や竹とともに雁、丹頂鶴、鶺鴒などを描き、その背景に雪山を配し、秋冬を表現。複雑に絡み合う景物は、すべてが精緻に描かれています。
一方、周文は相国寺で如拙(じょせつ)に教えを受け、雪舟を教えたとされていますが、生没年も不詳です。作品に落款がないことから画風の特定が難しいといわれますが、伝周文とされる作品のうち2点が国宝に、20点が重要文化財に指定されていることからも、その画業の重要性がわかります。今回は伝周文として重要文化財の《秋冬山水図屏風》6曲1双と《秋冬山水図屏風》1隻が並びます。
また周文と雪舟の師弟競演に加えて、雪舟が中国に渡った頃より遡る元代の画人・王若水による《花鳥図》3幅も展示します。
基本情報
会期 |
2025年7月5日(土)~ 2025年8月17日(日) |
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開館時間 | 9:30~18:00(展示室への入室は17:30まで) |
休館日 | 会期中無休 |
観覧料 |
一般:370円(290円)、大学生・65歳以上:290円(290円)、高校生以下:無料
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会場 | 前田育徳会尊經閣文庫分館 |