展覧会
優品選
第3・4展示室で同時期開催の特別展示でも紹介しますが、戦後、石川県の日本画界において、重要な指導者が多く存在しました。なかでも昭和47年から52年(1972~77)まで金沢美術工芸大学で教鞭をとった西山英雄は、高い指導力で多くの後進を育てました。現在も「西山門下」として多くの作家が活躍しています。日本画分野は西山門下の作品を中心に展示します。
油彩画分野では、藤森兼明《アドレーション・サンタマリア・アスンタ》にご注目ください。イタリアの大聖堂の巨大なイコンから着想し、金・黒・赤の3色がビザンチン美術の荘厳な輝きを放っています。不滅の聖なるものと儚い命、石川の洋画壇の重鎮・高光一也に学んだ女性美を対比して表現する、藤森による「アドレーション」シリーズの大作です。
素描作品からは、宮本三郎の《女優》をご紹介します。宮本は多くの女優をテーマに制作しましたが、その中で生涯に何度もモデルをつとめたのが、今回ご紹介する作品の無名の女優です。このモデルの彫りの深い顔立ちやキリッとした美しい目元が気に入り、テーマを変えて何作も制作しています。
彫刻分野では、高田博厚《腰かける女》をご紹介します。「彫刻家は内部のものが形を構成する知恵を学ぶ。〈形〉とは内部から押出る力の極限・限界なのだ。内部の力を一元的な形体、簡潔率直な形に要約するのが彫刻」と語る作者。本作の力強く優美な肉体表現からもその精神が生かされていることが分かります。

基本情報
会期 |
2025年10月10日(金)~ 2025年11月9日(日) |
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開館時間 | 9:30~18:00(展示室への入室は17:30まで) |
休館日 | 会期中無休 |
観覧料 |
一般:370円(290円)、大学生・65歳以上:290円(290円)、高校生以下:無料
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会場 | 第6展示室 |