展覧会
戦後80年 石川の近現代美術
太平洋戦争の終結が表明された昭和20年(1945)8月15日。その直後より、石川の美術界では復興運動が早々に始動します。とりわけ公募美術展「現代美術展」の開催は、戦時中の従軍や疎開、制作・公開の規制などで沈滞していた芸術活動への、喜びに満ちた再出発の契機となりました。昭和21年(1946)には金沢美術工芸専門学校が開校し、第一線の作家たちが後進育成にあたります。また昭和34年(1959)には当館の前身である「石川県美術館」が設立され、全国でも先駆けた動きが県内で展開されていきます。
昭和20年代後半から30年代にかけては欧米の最新の美術が紹介され、日本の美術界では「アンフォルメル(非具象絵画運動)」旋風が到来します。それまでの具象表現とは極めて対照的な、身体や筆の動きの偶然性、エネルギッシュかつ鮮烈な色彩と表現を特徴とし、熱狂的な流行をみせます。石川の作家たちもまた、怒涛のような国際的な抽象主義に翻弄されながらも、自らの表現を模索していきました。
さらに石川ゆかりの芸術家たちの活動の場は国内外に広がり、新時代を模索しながら独自の表現を切り開くことになります。身近に存在する豊かな自然・文化・伝統は作家の感性を育み、また自らに息づくアイデンティティーとなり、個の表現に結実していったのです。終戦から現在までの80年にわたる石川の近現代美術の歩みと、いまを生きる世代に繋がれた芸術のバトンを、当館のコレクションを中心として絵画・彫刻分野の視点から辿ります。

基本情報
会期 |
2025年10月10日(金)~ 2025年11月9日(日) |
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開館時間 | 9:30~18:00(展示室への入室は17:30まで) |
休館日 | 会期中無休 |
観覧料 |
一般:370円(290円)、大学生・65歳以上:290円(290円)、高校生以下:無料
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会場 | 第3展示室、第4展示室 |