展覧会
コレクション展:工芸
うつわに描く-色絵磁器の世界-
色絵磁器は、磁器の素地に赤、黄、緑、紺、紫などの上絵具で、花鳥や幾何学文様などが描かれた磁器の総称です。中国・明時代の景徳鎮で誕生した色絵磁器の技術は、日本では17世紀に磁器生産が始まったことをきっかけに、各地へ広まっていきます。
石川県は九谷焼の産地です。17世紀に当地で誕生した色絵磁器である「古九谷」を源流とし、現在も、その伝統と革新を融合しながら、様々な作家によって制作されています。九谷焼は、「九谷五彩」と呼ばれる緑、黄、赤、紫、紺青を駆使した濃密な色彩に特徴があります。
本展は、九谷焼のエッセンスのひとつである、器に描くこと=絵付けに注目したものです。器をキャンバスのようにして描かれた様々なモチーフや景色は、絵画とはまた違う味わいがあります。展示では、古九谷から始まり、明治期に世界へ輸出された近代の九谷焼、戦後から現在活躍している色絵磁器作家の作品までを辿りながら、色絵磁器の魅力に迫るものとなっています。
現代の色絵作家の描くモチーフは、絵画と同じように写生をもとに描かれる場合が多いです。例えば、柴田有希佳は、自然の草花を描くことにこだわってきた作家です。植物を描くことに心地よさを感じると語る柴田のスケッチが、作品の土台となっています。また、器の形、モチーフと余白のバランスの調和も見どころとなっています。
うつわに描かれた、様々な色絵磁器の世界をお楽しみください。

基本情報
会期 |
2025年10月10日(金)~ 2025年11月9日(日) |
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開館時間 | 9:30~18:00(展示室への入室は17:30まで) |
休館日 | 会期中無休 |
観覧料 |
一般:370円(290円)、大学生・65歳以上:290円(290円)、高校生以下:無料
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会場 | 第5展示室 |