展覧会
前田育徳会尊經閣文庫分館
加賀藩の美術工芸Ⅱ
前田家十三代斉泰に嫁いだのが、徳川家十一代家斉の二十一女の偕です。溶姫の名で知られています。溶姫を迎えるために加賀藩の江戸屋敷に建てられたのが赤門で、現在では東京大学のシンボルとなっています。溶姫の婚礼調度は一式、本館で保管されており、次年度4月に東京国立博物館にて開催される「百万石!加賀前田家」展では、厨子棚・黒棚とともに華やかに紹介される予定です。
特集展示「加賀藩の美術工芸」では、溶姫調度のうちⅠ期に鼻紙台・鬘台・眉作箱・小蓋を、Ⅱ期に見台・櫛台・色紙箱・楊枝台を紹介します。いずれも松唐草模様と徳川家の家紋である丸に三つ葵が配されています。
どれも同じ模様ですが、眉作箱の蓋は、紙を折り合わせたようなデザインとなっています。眉を整えるブラシや筆、髪を整える毛筋立、白粉合子、白粉解、化粧水入、鬘水入などを納めました。これら化粧道具は櫛台の引き出しにも納められており、姫君の身支度用として複数用意されたのです。また外箱だけでなく、中に納める細かな道具まで松唐草に葵紋の模様で仕上げられており、嫁ぐにあたり特別に準備されたことがわかります。
お歯黒をする前に歯を磨くために用いるのが、楊枝台です。台の上に楊枝箱を置き、ほこりをかぶらないように上からは蓋を被せます。婚礼調度の中でもこうした道具から、当時髪をどのように整え、お化粧を施したかがうかがえます。
基本情報
| 会期 |
2025年12月27日(土)~ 2026年2月2日(月) |
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| 開館時間 | 9:30~18:00(展示室への入室は17:30まで) |
| 休館日 | 12月29日(月)~1月3日(土) |
| 観覧料 |
一般:370円(290円)、大学生・65歳以上:290円(290円)、高校生以下:無料
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| 会場 | 前田育徳会尊經閣文庫分館 |