展覧会
茶道美術名品展
新年を迎えておこなわれる初釜にあわせ、例年この時期に本館所蔵の茶道具を紹介しています。本館のコレクションは、野々村仁清の国宝《色絵雉香炉》を所有していた山川家所蔵の茶道具が中心です。今号では、明治時代の数寄者高橋箒庵が記した『金沢闡秘録』から、「眼福の百年目」とも称した金沢での明治45年の鑑賞記録を追いながら、展示作品を紹介します。
箒庵は金沢について「士分に限らず、一般平民に至るまで」「茶事を嗜み、謡曲を好み、書画・骨董を玩」んだと認識しており、明治維新の争乱が影響しなかったため、三都(江戸・京都・大坂)の名品は「往々加州人の手に渡」ったと述べています。例えば、《青井戸茶碗宝樹庵》は、大阪より入ったと挙げます。
山川家を訪れたのは、金沢滞在3日目です。奥座敷の床に掛けられた書画軸の前に、《色絵雉香炉》が、書院には尾形光琳による硯箱も飾られており、ここで主人・山川庄太郎の挨拶がありました。
続いて案内された蔵器陳列室には、狩野常信の《七人猩々図》、《黄瀬戸小蕪花入》、仁清の《花笠香合》、尾形乾山の《黒釉蒲公英図茶碗》などが並びます。
特に、《和蘭陀白雁香合》については「高名天下に隠れなきものなり」と絶賛し、「今日之れに対面する事を得たるは余の大に満足する所なり」「天下第一の白雁」と記しています。
一方、松岡氏が所蔵する宝樹庵は見られず、京都へ引き返したことは「遺憾なる」と述べています。
基本情報
| 会期 |
2025年12月27日(土)~ 2026年2月2日(月) |
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| 開館時間 | 9:30~18:00(展示室への入室は17:30まで) |
| 休館日 | 12月29日(月)~1月3日(土) |
| 観覧料 |
一般:370円(290円)、大学生・65歳以上:290円(290円)、高校生以下:無料
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| 会場 | 第2展示室 |