展覧会
優品選・新春を寿ぐ
新春を祝う展示として、令和8年の干支である馬にちなんだ作品、松竹梅や鶴亀、鳳凰といった新しい年を祝うにふさわしい図柄の近現代工芸作品を展示します。
西出大三《木彫截金彩色「飾馬」》(もくちょうきりかねさいしき「かざりうま」)は、重要無形文化財「截金」保持者の西出が、オリジナルの木彫截金作品の制作を始めた最初期の代表作です。高村光雲に憧れて東京美術学校で木彫を学び、平安時代の仏教美術に魅せられて截金技術を習得した、西出の技術が存分に発揮された作品です。初期作品特有の明るくはっきりした彩色の地に施された優美な截金の文様は、平安時代後期の仏教美術によく見られるもので、西出の美意識の根幹を垣間見ることができます。木彫による馬は愛らしさの中にも品格をたたえており、後年の研ぎ澄まされた造形の片鱗がうかがえます。
染織作品からは、日展で活躍した染織作家、談議所栄二による《松の図》を紹介します。昭和45年(1970)の第11回日展出品作、4曲1隻の屏風仕立てで、大胆にデフォルメした松の木が、中央に大きく描かれています。こんもりとした葉、複雑に分かれた枝振り、赤みがかったのびやかで力強い幹などから、おそらくアカマツがモチーフと思われます。どこかユーモラスで陽性のエネルギーに満ちた図柄が祝いの場に好まれたのか、金沢市内のとある料亭には、同じ図柄の緞帳(どんちょう)が大広間に掛けられています。
そのほか、陶芸や漆芸など、さまざまな素材の工芸品で、新しい年をお迎えください。
基本情報
| 会期 |
2025年12月27日(土)~ 2026年2月2日(月) |
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| 開館時間 | 9:30~18:00(展示室への入室は17:30まで) |
| 休館日 | 12月29日(月)~1月3日(土) |
| 観覧料 |
一般:370円(290円)、大学生・65歳以上:290円(290円)、高校生以下:無料
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| 会場 | 第5展示室 |