展覧会
前田育徳会尊經閣文庫分館
橋本雅邦の襖絵
《四季山水図襖》は、前田家が自邸への明治天皇行幸に備え、「近代日本画の父」とも称される橋本雅邦に依頼して制作させた、障子腰、戸袋を含め30面からなる襖絵です。
橋本雅邦(1836-1908)は、江戸木挽町狩野家の邸内に、御用絵師の子として生まれ、幼少期より狩野派の画技を修練し身につけ、重要文化財《悲母観音》で知られる狩野芳崖とともに、狩野勝川院門下の中心となります。
明治維新により御用絵師制度が廃されると、雅邦はそれまで築いた基盤を失い、不遇の時代を迎えます。しかし一方で、古い画手本(粉本)の踏襲を重んじる狩野派の粉本主義に、以前から疑問を抱いていた雅邦にとって、この変化は新たな表現を模索する契機ともなりました。
やがてフェノロサや岡倉天心の影響を受け、西洋美術の考え方や技法を柔軟に取り入れながら、新たな表現を切り拓き、芳崖とともに、日本画の近代化に大きな足跡を残しました。東京美術学校(現・東京藝術大学)で教鞭をとり、後に日本美術院の主幹も務めています。
本作が納められた前田侯爵邸和館は、明治38(1905)年に竣工しました。《四季山水図襖》はその頃に完成したと考えられますが、明治41(1908)年に没した雅邦は、翌々年に実現する明治天皇による叡覧を知らずに世を去ったのです。
西洋画の柔らかい遠近表現を取り入れ、伝統的な画法から大きく変容した橋本雅邦の、集大成ともいえる襖絵をご堪能ください。
基本情報
| 会期 |
2026年3月24日(火)~ 2026年4月13日(月) |
|---|---|
| 開館時間 | 9:30~18:00(展示室への入室は17:30まで) |
| 休館日 | 会期中無休 |
| 観覧料 |
一般:290円(290円)、大学生・65歳以上:230円(230円)、高校生以下:無料
|
| 会場 | 前田育徳会尊經閣文庫分館 |