展覧会
前田斉泰 -《来殿》と《冨有園》-
能と狂言をあわせた「能楽」という言葉が、実は明治時代につくられた言葉だということはあまり知られていません。能と狂言の歴史は古く、ながく猿楽、散楽と呼ばれていました。これを「今定めて日はく『能楽』と云う」と述べたのが、十三代加賀藩主であった前田斉泰です。明治十14(1881)に建てられた芝能楽堂の能舞台(現在は靖国神社内にあり)には、斉泰による「能楽」の額が掲げられています。
斉泰は、《来殿》と《冨有園》というふたつの能を創作しました。《来殿》は嘉永五5(1852)、前田家が家祖とする菅原道真の950年忌にあわせてつくられました。道真をシテとした能はいくつかありますが、いずれも「菅公御憤怒の事」を主題とすることから、「祭事の砌(みぎり)は風雅な舞曲をも奏したき志にて」と、能《雷電》の後半を、天皇から「大冨天神」という神号を賜ったことに感謝して舞う内容に改めたのです。
明治に入り、江戸に移った斉泰が住まいしたのが、根岸邸です。斉泰の孫にあたる利嗣は前田家当主として再び本郷に暮らす一方、斉泰は根岸邸を愛し、明治8年(1875)には能舞台がつくられました。その舞台開きに披露されたのが《冨有園》です。「春は花、夏涼し、秋はもみじに冬は雪」に始まり、四季折々の美しさを詠み、雨風の支障もないことは「三社の神恵」であると謡います。
本特集では、このふたつの能を中心に、斉泰の免状など、斉泰と能の関わりを紹介します。
基本情報
| 会期 |
2026年10月30日(金)~ 2026年12月7日(月) |
|---|---|
| 開館時間 | 9:30~18:00(展示室への入室は17:30まで) |
| 休館日 | 会期中無休 |
| 観覧料 |
一般:370円(290円)、大学生・65歳以上:290円(290円)、高校生以下:無料
|
| 会場 | 前田育徳会尊經閣文庫分館 |