展覧会
近代の美術 -油彩画-
今回は前田育徳会コレクションから近代洋画に焦点をあてて展示します。近代洋画コレクションを入手経緯でみると、まず明治43年(1910)の東京本郷の前田邸への明治天皇行幸に合わせて、洋館に飾るために前田利為が購入したものが主となります。これらはフランスと日本美術の橋渡しに貢献した美術商・林忠正の旧蔵品約300点から24点を、野口駿尾と黒田清輝に依頼し選ばせたものです。また利為がヨーロッパ滞在中に描かせた肖像や買い付けたものにも優品が多く、重要な位置を占めます。なかには婚姻に合わせた持参品や画家本人からの寄贈品などもあります。
入手経緯別に作品を紹介しましょう。林忠正旧蔵品には、ウジェーヌ・ブーダンの《洗濯婦図》があります。ブーダンはクロード・モネを伴って戸外写生に出かけたことが後の印象派誕生につながり、印象派の先駆けとも呼ばれました。また、19世紀フランス・アカデミズムの巨匠J・A・ジェロームの《亜剌比亜人ニ馬図》は、小品ながら卓越したその技量と抑制のきいた物語性に目を見張ります。事前に実物を見た利為は、「最も妙なる如く感せたり」と日記にしたためています。
利為がフランス滞在中に購入した作品では、《枢機卿と兵士》が見る者の眼を惹くでしょう。本作は当時フランスで流行していた枢機卿画で、高い写実力と風刺の効いたユーモラスな表現を持つ優品です。その他、前田家が収集した19世紀から20世紀初頭にかけての香り高い、油彩画名品の数々をぜひ展示室でご確認ください。
基本情報
| 会期 |
2026年8月8日(土)~ 2026年9月13日(日) |
|---|---|
| 開館時間 | 9:30~18:00(展示室への入室は17:30まで) |
| 休館日 | 会期中無休 |
| 観覧料 |
一般:370円(290円)、大学生・65歳以上:290円(290円)、高校生以下:無料
|
| 会場 | 前田育徳会尊經閣文庫分館 |