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学芸員コラムColumn

2017年4月9日その他【美術館小史・余話1】天皇行幸が国宝の寄附へ

※本コラムは平成12年から平成16年にかけて、当館館長・嶋崎丞が「石川県立美術館だより」において連載したものの再録です。

 昭和33年の秋、富山国体の開会式に出席された昭和天皇、先般亡くなられた皇太后両陛下が、石川県へ行幸啓されることになった。
 その時何を天覧すべきかが課題となり、石川県の伝統工芸の実演と、故山川庄太郎氏所有の国宝「色絵雉香炉」とが決定した。
 丁度その頃石川県では美術館の建設を準備中でもあり、代表的な名作の収集をも考えていたので、この際思いきって山川庄太郎氏に対し、行幸啓を記念して、石川県に寄附していただくよう申し入れをしてはどうかということになった。
 色絵雉香炉を国宝に指定する時も、当時の文化財保護委員会は、実物を見ること無しに指定したという逸話が残っている程、山川庄太郎氏は作品を誰にも見せなかったといわれている。
 それが寄附ということについて、果たして対応して頂けるかどうかということが、一番大きな問題であったが、中に入られた故井出善弥氏の大変な努力で、行幸啓直前の10月15日寄附となった。
 故皇太后陛下は、御台覧後、さらにもう一度足を運ばれて、大変感動されたということである。
(嶋崎丞当館館長、「石川県立美術館だより」第202号、平成12年8月1日発行)

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